税に関するコラム更新のお知らせ ~貸付用不動産の評価方法の見直しについて~

2026.01.08

令和7年12月19日に令和8年度税制改正大綱が公表され、貸付用不動産の評価方法の見直しについて、令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産の評価について適用することが盛り込まれました(一定の経過措置あり)。
これから相続対策を考える不動産オーナーの方には大きく影響する内容であるため、現時点では詳細が明らかではない部分もありますが、まずは大まかな改正の内容について抑えておきましょう。

1.改正の背景

近年、不動産や株式などの評価額を圧縮するスキームが広く利用されており、課税庁としては財産評価基本通達6項(この通達の定めにより難い場合の評価)に基づく課税処分を行うことなどで個別に対応してきました。

<財産評価基本通達6項>
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。

その後令和4年最高裁判決をきっかけとしてマンション通達が発出され、分譲マンション等の区分所有不動産の評価については、一定の見直しが行われました。
しかし、同通達が適用されない一棟所有の賃貸用マンションをはじめとする貸付用不動産を利用したスキームはその後も散見されており、評価通達6項により個別に対応せざるを得ない状況が続いていましたが、このような対応について、納税者の予見可能性といった観点からの批判があり、評価方法の明確化が要請されていました。

また、市場価格と相続税評価額とのかい離が大きいことも問題視されていました。
不動産市場における貸付用不動産の価額については、主に収益性によって価値判断が行われるため、一般的に貸家の賃貸割合が高くなると市場価格が高くなります。
一方で、財産評価基本通達における貸付用不動産の価額は、借家人の支配権による利用の制約等を考慮して評価するため、賃貸割合が高くなると相続税評価額は低くなる関係にあります。

 

貸付用不動産の評価方法の見直しについて

一覧へ